『世界最新の太らないカラダ』という本があります。
たくさんのデータをもとに、太るのはなぜか、
太らないためにはどうすればよいか、を論じていますが、
結論としては、「食べる回数を減らす」ことに尽きます。

最近は糖質制限がよく取り上げられていますが、
糖質制限によって血糖を上げないようにするだけでは
不十分だそうなのです。
太る原因は血糖ではなく、「インスリン」だからです。
インスリンは血糖値を下げる働きがあると理解されていますが、
実は脂肪を蓄える働きがあるのです。

そして、インスリンは、糖質だけではなく、
とにかく何を食べても分泌されてしまうのです。
ですから、食事を頻繁に摂ることによってインスリンが頻繁に分泌され、
脂肪がどんどん蓄積されることになります。

最近、ちょこちょこ食べを勧める向きもありますが、
この本によると、それでは太ってしまうことになります。
置き換えダイエットも意味がないわけです。

太らないためには、具体的には食事を摂る回数が少ない方が良い、
食事と食事の間隔をできるだけ開けるのが良い、ということになります。
つまり、ファスティング(断食)が最も効果的ということです。

この本では、短いファスティングを繰り返すプログラムが紹介されています。
もちろん、食事を摂らない時間でも水分は摂ります。
毎日ではなくとも、お休みの日などに、
少し気にかけて実行するだけで、案外効果があるようです。
私もこの本を読んでからやってみたのですが、
1か月ほどで1㎏近くは減ったと思います。

でも、実際にやってみて感じるのは、こういう方法は、
昔の私のように低血糖症の状態では始められないな、ということです。
糖質に頼り切っている身体のままでは、
長時間食事を摂らない状態に体が耐えられません。

低血糖症のかたは、まず糖質制限から始めるのが良いと思います。
糖質制限をすることで、
脂肪を使ってエネルギーを作りやすい身体に変えてから
ファスティングに入るのが良いでしょう。
みなさんも試してみませんか?

ただ、太る原因は「インスリン」だけではありません。

もうひとつ、重要なホルモンがあります。
それは、副腎から分泌される「コルチゾール」というホルモンです。
炎症を抑える働きがあることで有名ですが、
さまざまなストレスがかかると
それに対処しようとして分泌されるものです。

「ストレスがかかると、過食をするから太る」
と考えている方も多いと思いますが、
実は過食をしなくても、ストレスがかかるだけで太るのです。
それがこのコルチゾールのなせる技です。

だからダイエットをするときは、
ストレスのかからない方法をとることが大事。
つらい!と思ってしまうようでは、逆効果、ということです。
痩せようと思って嫌いな運動を無理やりやっても、
なかなか効果は出ないということになります。

最近では新型コロナ感染拡大による自粛でストレスが増えてしまい、
そのせいで太ってしまった方もいることでしょう。
食べ過ぎて太った方もいるでしょう。
運動不足で太った方もいるでしょう。

そのいずれであっても、「肥満」は
新型コロナ感染症の重症化リスクが上がります。
以前から肥満傾向にあった方も、
これを機に生活を見直し、肥満を解消しましょう。
それによって新型コロナの重症化を防ぐだけでなく、
さまざまな病気を予防することにつながります。

新型コロナのことばかり心配するのではなく
長い目で見れば、肥満を防ぐことによって
社会全体の病気が減り、
医療費の削減にもつながるはずなのです。