WHO(世界保健機構)では
「健康」について次のように定義しています。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、身体的・精神的・社会的にすべてが満たされた
状態であり、単に病気あるいは虚弱でないことではない。
本当に健康な人であふれる社会をつくることをめざしている
医師 Dr.てん です。
日々診療をしていて感じるのは、
薬さえ飲めば良くなると思っている方がとても多いということ。
現代医学の薬を飲み続けるのが不安だから漢方薬を飲みたい、
と言って来られる方が多いのですが、
現代医学の薬を漢方薬に置き換えただけで、
薬に頼り切っている方がとても多いことに気づきます。
でも、本当に健康になりたかったら、
人間が本来持っている自己治癒力を
高めていかなければなりません。
そのためには、食事・睡眠・運動といった
生活習慣を見直しながら、
できるだけ薬に頼らない生活に変えていく必要があります。
そのためには、どんなことに気を付けたらよいのか、
日々の暮らしのヒントなど、お伝えしていきたいと思います。
大学卒業後、大学病院で皮膚科医をしていた時代、
ステロイドの塗り薬の副作用が
マスコミで盛んに取り沙汰されました。
そんな中、ステロイドに代わる、副作用の少ない薬として
臨床試験が始まったのが、
現在のタクロリムス(プロトピック)軟膏、免疫抑制剤でした。
現代医学は根本的な治癒に向かおうとしないのだ
ということが分かり、希望を見出せずに医療現場を離れました。
その後、さまざまな代替療法を学びました。
音楽療法
アロマセラピー
シュタイナー医学
アートセラピー
フラワーエッセンス療法
漢方医学
ホメオパシー
その後、ご縁があって漢方クリニックを開院しましたが、
どんな治療を行うにしても、
栄養状態を整えないことには、スムーズな治癒に導けない
と痛感するようになりました。
それには、私自身の経験が関係しています。
クリニック開院当初、
準備などで忙しい毎日を過ごしていました。
当然、疲れを感じます。
補中益気湯という漢方薬を飲み、
確かに元気が出るのを実感していました。
開院から半年ほどたったころ、ひどい風邪を引きました。
咳がひどくて、夜眠れない日が3日くらい続きました。
いろいろ漢方薬も試しましたが、なかなかよくなりません。
結局、咳がきちんと治まるまでに2週間くらいかかりました。
こんな風邪をまた引いたら、診療もままなりません。
そこで、自分の体調を見直すことにしたのです。
まずは、しばらくやっていなかった血液検査をしてみました。
普通の健康診断であれば、
特に異常は認められないとされるような結果でした。
しかし、栄養療法的な観点からみると、
自分が栄養失調であることがはっきりわかったのです。
そこからは、糖質制限をし、油の摂り方を変え、サプリメントでビタミン・ミネラルの補給をしました。
すると、今まで自分では普通だと思っていた体調が、
実は不調であったことを痛感したのです。
日中の眠気がなくなり、疲れにくくなり、
風邪も引かなくなりました。
栄養状態をどのように整えたらよいのか。
日々の生活をどんなふうに気をつければよいのか。
みなさんが少しでも「健康」に近づくことができるよう、
お伝えしていきたいと思います。
略歴
2002年 ハーネマン・アカデミー・オブ・ホメオパシー入学。2006年 同校卒業後、講師として後進の指導の指導に当たる
とともに、ホメオパスとしてセッションを行う。
2011年 紫峰の森クリニックでホメオパシー担当。
2012年 同クリニックの漢方外来担当。
2015~2019年 学芸大漢方クリニック院長。
現在、複数の医療機関において
漢方・栄養療法中心の診療を行いつつ、
独自にセミナー・健康相談などを行う。