最近、缶入りのものなど、多くの種類の甘酒を
店頭や自動販売機で見かけるようになりました。
うちでも知らない間に冷蔵庫に甘酒が買ってありました。
夫が買ってきたようです。

甘酒の歴史はとても古く、古墳時代までさかのぼり、
平安時代は、冷やした飲み物として貴族に大変重宝されていましたが、
江戸時代に入ると甘酒売りが出回るようになり、
夏バテ防止や滋養強壮として一般的に親しまれる飲み物になりました。

甘酒には大きく分けて2種類あって
酒粕を溶いたアルコールを含むものと、米麹でつくるものとがあります。
「飲む点滴」と言われるほど栄養価の高いのは、米麹を使ったものです。

米麹だけで作ったり、おかゆに米麹を加えて作ったりするのですが、
麹菌が発酵することで、でんぷんを麦芽糖やブドウ糖に分解し、
タンパク質をアミノ酸に分解します。
つまり、栄養がすぐに吸収できる形に分解されているのです。

糖分やアミノ酸だけでなく、ビタミンB群なども豊富に含んでいるので、
エネルギー代謝を助け、素早く効率よくエネルギーを生み出します。
疲れているときには、市販の栄養ドリンクではなく、
ぜひ甘酒を飲んでいただきたいものです。

そのほかにも、体内の有害な物質を身体の外へ排出したり、
オリゴ糖と食物繊維のパワーで腸内環境を整えたりするので、
スムーズな便通を促してくれる、優秀な発酵食品です。

食物繊維やオリゴ糖は、腸内細菌のバランスを整えて、
腸内環境を改善してくれます。
腸には免疫細胞が集中していますので、
腸内環境を整えることで免疫力も向上します。

先ほどのビタミンB群は
ニキビや皮脂をコントロールしてくれますし
アミノ酸は皮膚の新陳代謝にも大きく関わっていますので、
肌を健康に保つことができます。

さらに、麹に含まれるコウジ酸には、シミの原因になる
メラニン色素が過剰に作られるのを抑えてくれるので
美白効果が期待できます。
お肌のための「飲むケア」として役立ててください。

このように、おいしくて、うれしい作用がいっぱいの甘酒ですが、
気をつけたいこともあります。
糖分が多いので、カロリーが高めですし、
吸収が早いので血糖値を急上昇させます。

おいしいからと言ってがぶがぶ飲むものではありません。
体にいいからといって、1日にたくさん摂るのはお勧めできません。
せいぜいコップ1杯までを、毎日続けるのが良いですね。

市販されている甘酒は、発酵を止めるために
加熱してあるものがほとんどで、酵素が失活しています。
酵素の働きも求めるなら、おうちでつくってみましょう。

ネット上には、おうちでつくる方法が
いろいろ掲載されていますので探してみてください。
炊飯器やヨーグルトメーカーで簡単につくれます。

一度にたくさんは食べられないので、製氷皿で凍らせて保存し、
食べるときにお湯で溶かすことをお勧めします。
こうすれば、酵素もいっしょに摂ることができますよ。