前回は牡蠣のことを書きましたが、
秋にはもうひとつの「カキ」があります。
柿ですね。

柿は、フルーツのなかでは
あまりぱっとしないかもしれません。
オシャレ度は高くないかもしれませんが、栄養価は抜群です。
豊富なビタミンCをはじめ、
カロテンや食物繊維などの健康成分が凝縮されていて、
免疫力の向上や美肌効果、また二日酔いの予防にも効果的です。

●柿に含まれる成分
柿にはビタミンCが豊富に含まれています。
柿1つにみかんの2倍に相当するビタミンCが含まれていて、
1日に必要なビタミンCを補うことができます。

ビタミンCには強い抗酸化作用があって、
紫外線やストレスなどにより発生する活性酸素を除去し、
身体が酸化することを防ぎます。

柿に含まれるビタミンCが体内で強い抗酸化作用を発揮して
身体を酸化から守ることで、
病気や老化、肌トラブルが予防されます。

また柿にはβ-カロテンも豊富に含まれていて、
ビタミンCとの相乗効果で
ウイルスや細菌に対する抵抗力を強めて粘膜を強化し、
風邪予防や肌荒れ防止に効果的です。

干し柿にするとビタミンCは減少しますが、
カロテンは2倍に増加し、食物繊維も豊富になります。
1回あたりに食べる量の食物繊維の含有量が
全食品中で最も多く、優れものです。
この食物繊維の豊富さが、腸内細菌を育て、
腸内環境改善につながるのですね。


とはいえ、エネルギーが高いため
干し柿の食べ過ぎには注意が必要です。

柿に含まれる渋みのもとである
シブオールと呼ばれるタンニン成分と、
アルコールデヒドロゲナーゼと呼ばれる酵素は
アルコールの分解に働きかけるため
二日酔いに効果的です。

柿の葉やヘタにも薬効があることをご存知でしょうか。
柿の葉には果実以上にビタミンCが多く含まれ、
お茶にして服用すると高血圧や動脈硬化予防のほか、
潰瘍などによる内出血や痔の出血、
鼻血、月経過多、眼底出血にも効果があるといわれています。

さらに漢方では、ヘタの部分は
柿蒂(シテイ)と呼ばれ、
しゃっくりや夜尿症に効果があるとされています。

その他の効果として、

●コレステロール値を下げる効果
柿に含まれるポリフェノールの一種タンニンは、
血中の悪玉コレステロールを減少させ、
血液をきれいにする働きがあります。
タンニンが豊富に含まれる柿には動脈硬化を予防し、
高血圧を防いでくれる効果が期待できます。

また、血液の流れがスムーズになると
栄養や酸素が体のすみずみまで素早く行き渡り、
老廃物が取り除かれます。
すると、新陳代謝が促進され、
体全体が活性化されるため、
様々な不調の改善につながります。

●免疫力を高める効果
柿にはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、血液中の白血球、
特に好中球に多量に含まれていて、
体外から侵入してきた細菌やウイルスなどを
撃退する役割を担っています。

ビタミンCは、白血球の働きを高め、
ビタミンC自らも細菌やウイルスを攻撃する力を持っています。
また強い抗酸化作用を持つカロテンも豊富に含んでいるため、
ビタミンCとの相乗効果で免疫力をさらに高め、
風邪などの病気予防に効果的です。

●美肌効果
柿に豊富に含まれるビタミンCには、
シミやそばかすを予防し、
ハリのある若々しい肌を保つ効果があります。

日光に当たり続けると、紫外線の刺激を受けて
チロシンと呼ばれるアミノ酸から
皮膚の色素細胞であるメラニン色素が生成されます。
このメラニン色素が皮膚に沈着することで、
シミ・そばかすができます。

ビタミンCは、チロシンからメラニンをつくりだす
チロシナーゼという酵素の働きを抑制し、
メラニン色素の沈着を防ぐことで、
シミ・そばかすを予防します。

●腸内環境を整える効果
干し柿には非常に多くの食物繊維が含まれており、
有害物質の排泄や栄養素の吸収、
腸内環境の正常化に働きかけます。
糖尿病や高脂血症、便秘解消、生活習慣病予防に効果的です。

●二日酔いを防ぐ効果
柿に含まれる渋みのもとであるシブオールと
酵素であるアルコールデヒドロゲナーゼには
アルコールを分解する働きがあります。
さらに柿には利尿作用を持つカリウムが多く含まれるため、
二日酔いの予防に効果的です。

というわけで、柿はこんな方におすすめです。
○生活習慣病を予防したい方
○風邪をひきやすい方
○美肌を目指したい方
○血圧が高い方
○便秘でお悩みの方
○お酒をよく飲む方