最近、血液検査をしてみると
亜鉛が不足している方が結構いらっしゃいます。

皮膚炎がひどい患者さんでも、
必ずしもアレルギーが強いわけではなく、
実はビタミンやミネラルが不足している方が
いらっしゃるのです。

亜鉛の働きというのは、あまり知られていませんが
実は身体のなかでとても重要な働きをしています。
亜鉛は、300種以上の酵素に関わっていることが知られ、
その効果は全身に及びます。
亜鉛の具体的な効果は以下の通りです。

皮膚を守る
妊娠を維持する
アレルギーを抑制する
成長を促す
けがや火傷の回復を促す
骨を丈夫にする
味覚・視覚・嗅覚を正常にする
脱毛を防ぐ
精力増強
前立腺障害を防ぐ
からだの酸化を防ぐ
糖尿病を防ぐ

亜鉛はインスリンの構成成分で、
インスリンは亜鉛のおかげで安定して働けるのです。

亜鉛の不足が続くといちばん出てくるのが皮膚症状です。
そのほかの亜鉛不足の症状としては
高齢者に味覚障害がよく見られます。
最近は子どもや若者の味覚障害も問題になってきています。

成長が障害され、低身長となる
性腺発育不全がおこる
精子の形成が障害され、男性不妊の原因となる
食欲不振
びらん、水疱、乾燥、などの皮膚症状
脱毛
傷の治りが遅い
無欲化、情緒不安定、行動異常、記憶障害、うつ症状
下痢、胃腸障害が起こる
風邪を引きやすい
正常な味を感じない
鉄欠乏性貧血
活性酸素障害が起こる

亜鉛が不足する原因としては以下のことが考えられます。
加工食品や精製された穀類は亜鉛含有量が低いので、
これらを日常的に食べている方々にとっては不足しやすくなります。
また菜食主義者も亜鉛は不足しやすくなっています。

このほか、クローン病、ネフローゼ症候群、
中心静脈栄養を行っている場合、
未熟児なども亜鉛が不足しがちです。

亜鉛を多く含む食品としては牡蠣が有名です。
そのほか、牛肉・豚肉・うなぎ・ナッツ などに多く含まれます。
レバーは鉄が豊富に含まれることでも有名ですが、
亜鉛も多く含みます。

私が勤務しているときわ台ときわ通りクリニックの近くに
燈 TOMOSHIBIというお店があるのですが、
ここのレバーステーキはとってもおいしいのです。

レバーというと敬遠されるかたもいらっしゃるかもしれませんが、
このお店で初めてレバーを食べたとき、
「レバーってこんなにおいしいんだ!」と驚きました。
新鮮で臭みがなく、プリプリなんです。

ときどきおいしいレバーを食べて
栄養補給しましょう!