みなさんは、わかめはお好きですか?
わかめをはじめとした海藻には、
水溶性の食物繊維が豊富に含まれているため、
ぜひしっかり摂ってくださいね、とお伝えしているのですが、
食物繊維以外にも、どんな栄養素が含まれているのでしょうか。

海藻類に分類されるわかめは、低カロリーということで、
ダイエットにも取り入れやすいものですが、それだけでなく
私たちの体にとって嬉しい栄養素が豊富に含まれています。

最初は、ヨウ素。
ヨウ素は海水中に多く存在するため、わかめにも多く含まれています。
基礎代謝の促進だけでなく、
子どもの成長や大人の脳の働きを維持するのにも重要です。

次にナトリウム。
わかめに含まれるナトリウムは、海藻類の中ではトップです。
ナトリウムは、人体に必要なミネラルのひとつで
体内の機能や血圧を調整する働きがあります。
ただ、ナトリウムの摂り過ぎは血圧を上昇させたり、
むくみが生じたりするので、ほどほどが大事です。

3番目にカルシウム。
わかめに含まれるカルシウムは、海藻類の中では2番目に多いのです。
カルシウムは、私たちの身体に最も多く存在するミネラルで、
骨や歯を作るだけでなく、ストレスを和らげることや
血が固まるのをサポートすることにも関与しています。

4番目にマグネシウム。
わかめは、マグネシウムも豊富です。
血管を拡張させ血圧を下げる効果や、
骨においてもマグネシウムが合わさることで柔軟性が加わり、
しなやかで丈夫になります。

また、マグネシウムには水分を引き込む作用もあるため、
便が柔らかくなり、便秘解消に役立ちます。

5番目にリン。
リンも、わかめに含まれているミネラルのひとつです。
リンは骨や歯の正常な発達に必要なミネラルで、
リン酸カルシウムやリン酸マグネシウムとして骨や歯を構成しています。
さらに、神経の伝達促進などにも関与しています。

6番目に食物繊維。
わかめには、ぬめり成分のアルギン酸という
水溶性食物繊維が含まれています。
この水溶性食物繊維は水に溶けやすいのが特徴で、
食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、
コレステロール値を下げたりする働きがあります。

水溶性食物繊維には、その他にも
便秘を改善して腸内環境を整えるなど
健康のために重要な働きをしているので、
積極的に摂っていただきたい栄養素のひとつです。

ところで、みなさんは、わかめはどんな形のものを召し上がりますか?
カットした乾燥わかめは、調理の手間が省けて
手軽に使えて便利ですよね。
カットした乾燥わかめは生わかめに比べると、
乾燥させている分、水分が少なくなります。

わかめにはヨウ素が多く含まれていて、
長期間大量に摂取し続けると過剰症につながる場合があります。
その症状としては、甲状腺機能低下症、頻脈、
体重減少、筋力低下などがあります。

参考までに、厚生労働省が定める食事摂取基準(2020年度版)では、
18歳以上でのヨウ素の1日の推奨量は、130㎍です。

これは、生わかめなら約8g、水に戻した乾燥わかめなら6.8gで
ヨウ素の1日推奨量を満たします。
味噌汁で使う乾燥わかめは、1人前で約1~2g程度。
どのくらい必要かはイメージができますね。

一方、ヨウ素は人体にとって必要ですが、
その上限量は18歳以上で3000㎍と定められています。
健康な成人で生わかめなら約190g、
水で戻した乾燥わかめの場合は約160gまで、ということになります。

わかめには、ヨウ素が豊富に含まれているため、
肌の新陳代謝を活発にし、美肌にも効果的です。
ヨウ素が原料となる甲状腺ホルモンが不足すると、
肌が乾燥しカサカサしやすくなります。

とはいえ、ヨウ素を長期間摂り過ぎると
甲状腺機能低下症などの原因にもなりますので、
適度な摂取で肌の新陳代謝を活発にしましょう。