寒くなってくると、温かいスープが恋しくなります。
生姜が入っていれば、体が温まりますよね。
生姜には、免疫力アップが期待できる栄養素が多く含まれています。
生の生姜に多く含まれている辛味成分のひとつに
ジンゲロールがあります。
ジンゲロールは免疫細胞の一つである白血球を増やし、
免疫機能を活性化させることができます。
ジンゲロールには免疫機能を活性化させる以外に
殺菌作用や頭痛を抑える作用など
さまざまな働きがあります。
しかし、ジンゲロールは酸素に弱い性質を持っているので、
酸素に触れた状態で熱が加わると酸化し、
本来の働きを発揮することができなくなります。
ジンゲロールを摂取したい場合は、
食べる直前にすりおろすなど空気に触れる時間を少なくすることと
加熱処理を避けることをお勧めします。
ジンゲロールが加熱や乾燥によって変化してできる成分が
ショウガオールです。
ショウガオールは血行を良くしたり
痛みの原因となる成分を抑制したりする働きがあります。
そのため、ショウガオールを摂取すると
痛みや冷えの改善につながります。
ジンゲロール、ショウガオールともに
免疫力を上げる効果が期待できます。
殺菌などを目的とする場合は生姜をすりおろして、
冷えを改善したい場合は加熱して食べることがお勧めです。
ビタミンは、身体の機能を正常に保つはたらきを持ち、
それによって免疫力を上げると言われていますが、
体内でほとんど合成できないため、食べ物から摂取する必要があります。
生姜には少量ですが、免疫力に関連するビタミンが2つ含まれています。
それは、ビタミンB1とビタミンB2です。
ビタミンB1には、免疫力を上げる以外にも
糖質の代謝に働きかけ、
スタミナや集中力の向上などの効果が期待できます。
ビタミンB2には、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、
それらが正常に保たれると外敵の侵入を防ぐので免疫力が上がります。
先ほどのジンゲロールとショウガオールには、
免疫力アップ以外の効能について紹介します。
生姜に含まれる香り成分ガラノラクトンや、
辛味成分のジンゲロールは、血管に届くと
冷えなどで細くなった血管を拡張させる働きを持っています。
その結果、血流が悪いことによって引き起こされる
冷え性や肩こりなどが改善されるといわれています。
ジンゲロン、ショウガオールには
殺菌効果があることが明らかになっています。
食中毒の予防や、気管支炎、肺炎などの原因になる
細菌類や、フィラリア、回虫などの寄生虫も駆逐する効果が見込めます。
ちなみに、寿司にガリとして生姜がついてくるのは、
生の魚である寿司と殺菌効果のある生姜を一緒に食べることで
食中毒を予防するためだといわれています。
ジンゲロールやショウガオールは胃腸の消化不良を改善したり、
嘔吐中枢を刺激して吐き気を抑える働きがあります。
二日酔いは、過剰に分泌された胃液が
排出されずにいることが原因とされています。
つまり、生姜を摂取することで
吐き気や二日酔いの防止効果が期待できます。
生姜は胃腸の血行を良くすることで働きを活発にして、
食べ物の消化吸収を高めます。
さらに、生姜に含まれているジンジベインという酵素が
タンパク質を分解してくれるので、
胃腸の負担を軽減してくれる効果も見込めます。
それだけでなく、生姜の辛味成分のジンゲロン、ショウガオールは
内臓の働きを活発にし、食欲を増進させるともいわれています。
実は、生姜はガリやジンジャエールなどいろんな形で使われています。
生姜は免疫力を上げるだけでなく、
冷え性の改善や殺菌効果など数多くの効果があります。
これからの季節、意識的に摂取することをお勧めします。