先日、移動中の駅のホームで、自動販売機に
参鶏湯風スープがあったので、つい買ってしまいました。
缶入りスープはいろいろ出ていて、新しいものが出ると
飲んでみたくなります。

実は、この2年間ほど、土曜日の仕事の合間のランチで
毎回のように参鶏湯を食べていました。
味もおいしいですが、中に入っているものは
見るからに栄養がありそうです。

今回は、参鶏湯をおもに栄養面から考えてみましょう。

参鶏湯とは、名前に鶏肉の「鶏」と高麗人参の「参」が入っているように
高麗人参やナツメ、ニンニクなどが入った滋養強壮によい
鶏のスープのことを言います。

鶏を丸々一羽使うのが特徴で、薬膳料理のひとつでもあり、
健康維持の効果があるとされていることから「保養食」とも言われています。

少し疲れているときなどに好んで食べられ
「食べる栄養ドリンク」のような料理です。
鶏肉の中にはもち米や漢方の薬剤が入っていて、
栄養も腹持ちも抜群です。

今では、日本でも色々なお店で食べられるようになった参鶏湯ですが
昔はほんの一部のお金持ちの人しか食べられない料理でした。
昔から男性の滋養強壮に、女性は美容のために食べられていたのでしょう。

現在の形になったのは1930年代に入ってからではないかと言われていて、
庶民も食べられるようになったのは、ほんの少し前のことだったようです。

滋養強壮に効果があると言われている参鶏湯は
日本で言うなら鰻のような存在だと言えそうです。

日本には「土用の丑の日」に鰻を食べる風習がありますが、
韓国には「参鶏湯の日」があるそうです。

夏の暑さが厳しくなる7月中旬~8月中旬に参鶏湯を食べると、
その年は健康に過ごせると言われています。
夏バテ防止の意味も、滋養強壮の効果も、
まるで日本の鰻ですね。

韓国では参鶏湯を食べる日を「伏日(ポンナル)の日」と言うそうです。

日本ではスープに塩コショウであらかじめ味付けされている場合が多いですが、
本場の韓国では薬膳と鶏肉、使っている材料の本来の味しかしないので
個人でキムチや塩で味付けをして楽しむそうです。

参鶏湯は滋養強壮に効くのはもちろんですが、美容効果も抜群です。
女性に嬉しい冷え防止効果、代謝アップ効果もあるんです。
材料をひとつひとつ見ていきましょう。

まず、鶏肉には美肌に必要不可欠なコラーゲンがたっぷり。
いっぱい食べてプルプル肌を目指しましょう。

高麗人参は、漢方薬にも使われる食材で、とても元気の出る食べ物です。
その効果は幅広く、疲れを回復したり、ホルモンバランスを整えたりと
健康にも美容にも効果的。
血行を促進するので冷え性の人にもおすすめです。

昔から漢方薬として幅広く使われている食材、ナツメ。
利尿作用や余計なものを排出する作用があるので、
ダイエット中の人にもおすすめ。
ビタミンCをたくさん含んでいるため、
肌を若々しく保ち、美肌づくりにも最適です。

鶏肉のお腹にたくさん詰められたもち米は、
食感が楽しいだけでなく、スープを吸ったもち米は腹持ちもよいので
ダイエット中の人にも嬉しいですね。

その他、ニンニクや栗などたくさん身体にいい食材が詰まった参鶏湯。
元気を出したいときにぜひ食べてください。