
「あぶら」には様々な種類がありますが、そのなかの脂肪酸は、次のように分類されます。

ω(オメガ)-3、ω-6、ω-9のなかで、ω-3とω-6のバランスがとても大事です。
理想はω-3:ω-6=1:4と言われています。
ところが、ω-6系の中のリノール酸は、
一般的な植物油に豊富に含まれているものですので、
何も気にせずに摂っているとω-3:ω-6=1:20~30にもなってしまいます。
つまり積極的に摂る必要はありません。
リノール酸などω-6の割合が大きくなると、炎症を促進させることになります。
炎症を促進させる物質がどんどん作られるようになってしまうのです。
かつて、リノール酸がコレステロールを下げるとして、もてはやされた時代がありました。
お中元やお歳暮にも盛んに贈られたものですが、
その後の研究で、リノール酸を摂り過ぎると
アレルギーや動脈硬化が増えることが分かりました。
この辺りはとても複雑ですが、体の中で何が起こるのかを、
一度整理しておきたいと思います。

ω-6系のリノール酸は、体内でγ-リノレン酸に変化し、
さらにアラキドン酸に変化した後、炎症を促進する物質を作り出します。
γ-リノレン酸自体は炎症を抑制する物質に変化できるのですが、
糖質を摂り過ぎている状態では、アラキドン酸に変化する反応が盛んに起こり、
結果的に炎症促進物質を大量に作り出してしまいます。
油ものを摂り過ぎたり、甘いものをたくさん摂ったりすると、
アトピー性皮膚炎が悪化する、という話をよく聞きますが、
それはこういうところに原因があるのです。
アトピー性皮膚炎に限らず、花粉症や喘息などのアレルギー性疾患全般、
炎症を伴う状態には、油や甘いものを控えるということがとても大切です。
また、リノール酸がγ-リノレン酸に変化する経路、
γ-リノレン酸が炎症を抑制する物質を生み出す経路には、
ビタミンB群やビタミンC、ミネラルが必要とされます。
油の摂り方に気を付けていても、ビタミンやミネラルが不足していると、
炎症を抑制する働きが十分に発揮されません。
絶対量ではなく、バランスが大事ですので、
ω-3系の油をたくさん摂っていても、
他のサラダ油をたくさん摂っていたのでは何にもなりません。
サラダ油を減らして、ω-3系の油を積極的に摂りましょう。
具体的には、ω-3系の油は亜麻仁油、エゴマ油、魚油。
亜麻仁油やエゴマ油は熱に弱いので、生で摂る必要があります。
ω-6系の油の中でも、γ-リノレン酸には炎症を抑制する働きがあります。
ボラージ草油、月見草油にはγ-リノレン酸が多く、
ヨーロッパでは女性の不定愁訴の改善によく使われています。
ω-9に分類されるオレイン酸は、炎症そのものには直接関係しませんが、
代表的なオリーブ油は熱に強いので、
料理に使うあぶらは他のサラダ油よりもオリーブ油を使うと良いでしょう。
この表にないもので、摂らないほうがよい「あぶら」として、
マーガリン、ショートニングなどのトランス脂肪酸といわれるものがあります。
日本ではまだ規制がありませんが、アメリカなどでは規制が厳しいため、
輸入食品などに「トランス脂肪酸フリー」
と表示されているものに気づくことがあるでしょう。
トランス脂肪酸を摂り過ぎると細胞膜が硬くなり、
細胞の働きを悪くしてしまうと考えられるため、
動脈硬化やアレルギーが起きやすくなると言われています。
「ビタミンDのサプリメントを摂っていれば大丈夫」ということではなく、
食事全体の見直しをしてみましょう。