随分間があいてしまいました。

知り合いの方が、がんと診断されました。
ご本人は、さまざまなことを考えられたうえで、
化学療法を受けることを決意されました。

どんな治療を受けるにしても、
身体がフルに機能するような状態にしておくことが大切です。
そのためには、食事や栄養に気を付けることが不可欠です。

しかし、今の日本の医療期間では、
栄養について、まともに考えられていません。
その辺の事情が、この本にはとてもよく描かれています。

『がんになったら、何を食べたらいいの?』

「がんに良い食事」というと、
玄米菜食を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ただ、玄米菜食にして体調が良くなる人と、
かえって体調が悪くなる人がいることは以前から知られています。

玄米菜食をメインにしているマクロビオティックは、
日本で生まれましたが、海を渡ってアメリカで流行しました。
特にアメリカのセレブの間でもてはやされました。

マクロビオティックで体調が良くなる人というのは、
元々食べ過ぎていて体調が悪くなった人が多いように思います。
余分なものが多すぎて、身体の機能を妨げているわけですから
余分なものを取り除くことで、スムーズに機能するようになります。

しかし、元々食が細かったり、偏食があったりすると、
必要な栄養素が不足しているところに、
玄米菜食でさらに栄養不足に拍車がかかることになりかねません。
玄米菜食だと、特にタンパク質がどうしても不足しがちです。

身体の機能に欠かせない酵素、免疫に関わる因子や細胞も
すべてタンパク質から成っていますから、
これらが不足することで、身体の機能が落ちてしまうことは
容易に想像がつくでしょう。

また、身体の構造や機能に必要なものをつくるためには
ビタミンやミネラルが欠かせません。

さらに、がんにはビタミンCが必要だとか
免疫を上げるためにビタミンDが必要と言われます。
しかし、基本的なビタミン・ミネラルが足りていないと、
ビタミンCだけとかビタミンDだけ摂っても、うまく働きません。

私たちの身体は、ビタミン・ミネラルの最も低いところに
見合った分しか機能することができないのです。

『がんになったら、何を食べたらいいの?』というタイトルですが
「がんにならないために、何を食べたらいいの?」
ということでもありますね。