今年の花粉は、かなり多くなるという予報が出ています。
花粉に反応している気がする、という人がぼちぼち出てきました。

東洋医学的にみると、花粉症は「衛気」の失調と考え
五行で言えば「肺」と深い関係があります。

それと同時に
胃腸と関係の深い「脾」、
⽣命のエネルギーを⽀える「腎」、
ストレスと関係の深い「肝」
の⽇頃の状態が、「肺」に影響を及ぼして
花粉症を⽣み出します。

東洋医学は一種の理論ではありますが、
宇宙をも含めた森羅万象の動きの中で
人間を捉えています。
季節や環境の影響も常に考慮に入れています。

独特の考え方もあるので難しそうではありますが、
現代医学の考え方でとらえ直してみると
案外、当たり前のことに気をつければよいことが分かったりします。

体にとって有害な、悪さをするものを「邪気」と⾔いますが、
春の⾵が連れてきた花粉を⾵邪(ふうじゃ)と捉え、
これと戦うのが「衛気」です。
「衛気」がうまく機能していれば、風邪の侵入を避けられます。

この「衛気」の働きは「肺」の機能の一部ですが
その働きを支えているのが
「脾」、「腎」、「肝」です。

「脾」は胃腸の消化吸収の働きととらえられます。
食べ物を消化吸収して作られた「気」を
身体に行きわたらせることで、スムーズな活動ができます。

ところが、食べ過ぎると、
消化吸収にもエネルギーが必要ですから
無駄に気が使われてしまいます。

十分に消化吸収が行われないと、
「湿」と呼ばれる余分な水分や老廃物を
溜め込むことになり、それが鼻水や涙になります。

現代社会はストレスに満ちていますが、
ストレスが過剰にかかると「肝」の働きに影響を与えます。
「肝」は気をめぐらす機能があり、「衛気」も気の一種なので、
ストレスで「肝」の働きが悪くなると
「衛気」で花粉から身を守れなくなります。

現代人、特に日本人は睡眠不足の人が多いことが知られています。
睡眠が不足すると、「腎陰」を損ねます。
すると、潤いがなくなって、熱や乾燥が生じ、
充血やかゆみを引き起こします。

冷たいものの摂り過ぎは、
身体の熱源である「腎陽」を損ねるので
冷えて「湿」を増やすことになります。

このように見てくると、日頃の生活を改めることで
花粉症を改善できるということが分かると思います。

現代医学では、花粉症をアレルギーの側面からしか考えていません。
しかし、実際に検査をしてみると
アレルギーの数値が高くない患者さんも多いのです。

そのような患者さんに、抗アレルギー剤だけ処方しても
理に適っていませんよね。

アレルギーの数値が高いとしても、
抗アレルギー剤の量や種類を増やすばかりでは、
なかなか改善がみられないことも多いものです。

人間の身体の機能の成り立ちを
自然や環境を含めて長い歴史の中で考えてきた
東洋医学の智慧もフルに活用して
今年の春は気持ちよく過ごしましょう。

花粉症に悩まされずに春を過ごすためには
東洋医学だけでなく、ホメオパシーも役立ちます。
ご興味のある方は、お問い合わせください。