新型コロナウイルス感染の広がりはなかなか治まりません。
感染自体だけでなく、さまざまな後遺症が長く続くことも問題になっています。
後遺症の症状として多いのは、
倦怠感、呼吸苦、記憶障害、睡眠障害、集中力散漫、脱毛

これらの症状は、新型コロナウイルスに特徴的ということではないものの、
体力が消耗された結果、ということは確かだと思います。

このような症状に現代医学だけで対処するのは
なかなか難しいように思われます。

一方、目を東洋医学に転じれば
使えそうなものが見つかります。

漢方薬の補中益気湯。
疲れやすい、だるい、という症状を訴えるときに
よく使われる処方ですが、
病後の体力増強にもよく使われます。

インターフェロンの産生に関連するという報告があり、
感染リスクを下げることが期待されていますので、
感染リスクの高い方にとっても心強い処方になります。

もうひとつ、漢方薬でご紹介すると十全大補湯。
こちらも病後の体力増強に使われます。
補中益気湯と似ていますが、血への働きがより大きく
栄養補給的な意味合いが強くなります。

免疫担当細胞の1つであるNK細胞の機能が改善され、
また過剰な炎症を予防することも期待されていて
重症化が懸念されるかたにも頼りになりそうです。

髪は東洋医学では「血余」と呼ばれ、
血が十分にないと十分に作られません。
逆に言えば、血が足りなくて脱毛になる、ということ。

新型コロナに関わらず、大きな病気をした後、
出産後、大ケガの後などに脱毛という症状が現れます。
これらはすべて血が不足することによって起こると考えられます。
そんな状態を改善できるのが、この十全大補湯だと思います。

さて、ホメオパシーではコロナの後遺症に何ができるでしょうか?

ホメオパシーには、「インフルエンザ以来、具合が良くない」
という症状を持つレメディがいくつかあります。

そのなかで代表的なものに「ジェルセミウム」があります。
このレメディは、インフルエンザの代表的なレメディでもあります。
特徴的には「身体がいうことをきかない」状態。
寒気と震え、微熱が続き長引く風邪、頭痛、喉の痛みなどの症状が出ます。
めまいや眠気の症状があるときによく使われます。

これらの症状がゆっくりと始まり、非常に衰弱し、震えが出ます。
身体中、筋肉が重い、痛い、弱った感じになります。
精神的な症状にも使われ、不安や恐怖といった症状がありますが
特徴的には新しい状況、慣れないことをひどく恐れます。

心身ともに意思の力を失う、対処できずに諦めて時を過ごす。
という症状があります。

コロナに限らず、病気の後に体力が失われると気力も失います。
倦怠感が続き、意欲も湧いてこないようなとき、
考えられるレメディです。

このジェルセミウムに限らず、
ホメオパシーではその方の症状にぴったり合うレメディを
そのときそのときで選んでいきます。
だから症状がどんなに多彩であっても
常に対応していくことが可能になるわけです。

現代医学がどうしても必要な場面、タイミングはあります。
特に急性期の激しい症状に対応するには
現代医学は素晴らしい力を発揮します。

しかし、急性期を過ぎると
その人の体質や環境によって
さまざまな症状を呈するようになります。
そんなときには、東洋医学やホメオパシーを頼ってみてください。