最近、身近な方から「肩が痛い」という話をお聞きします。
40代から50代にかけて、特に思い当たることもないのに
急に肩が痛くなり、腕が上がらない、
コートやジャケットを着るのが難しくなる。
そんな経験はありませんか?

いわゆる四十肩、五十肩と言われるものが考えられます。
四十肩と五十肩には特に違いはなく
「患者さんの顔を見て決める」なんて言われたりもしますね。

正式な病名としては「肩関節周囲炎」が使われますが
原因はよく分かっていないところも多いようです。
突然痛みが出て、数週間から数か月間、
腕や肩の動きが悪くなるけれど、
次第に治ってしまうことも多いのです。

肩の関節というのは、なかなか複雑な構造をしていて
たくさんの筋肉や腱、靭帯が関わっています。
加齢に加え、冷えたり血流が悪くなったりで
肩周りの組織が炎症を起こし、
硬くなって動きが悪くなると考えられています。

筋肉ではなく、肩関節を包む関節包という組織の炎症であり
肩こりとは性質の異なるものです。
その部分自体をほぐすことはできません。
無理に動かすとかえって傷めてしまいます。

急性期には特に痛みが強く、
安静にしていても痛みが出ることがあり、
夜眠れないようなこともあります。
慢性期に入ると痛みがやや軽減しますが、
動きが悪くなります。

しかし、痛みがあるからと言って
動かさずにいると、
ますます動かなくなってしまいます。
とはいえ、筋肉のように伸縮する組織ではないので
無理に動かすと傷めてしまいます。

実は、肩の動きというのは
もっと広い範囲の動きで行われているのです。
肩甲骨の周りの筋肉がしなやかに動くことで
肩そのものの関節に無理をかけずに腕を動かすことができます。

マッサージなどで「肩甲骨はがし」などという
言葉を聞かれたこともあるでしょう。
肩甲骨の周りは、デスクワークを
長時間続けたりすると凝りやすいので
こまめにほぐしておく必要があります。

肩の周辺の筋肉を使って血行を良くしていくのが
五十肩の症状緩和や予防に役立ちます。
また、周囲の筋肉がスムーズに動くことで
肩関節の負担を減らすことができます。

無理のない体操のしかたは、
こちらを参考にしてみてください。

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_214.html

痛みがひどくて眠れないようなときは、
痛み止めや抗炎症剤を摂ることも必要ですが
できるだけ薬に頼らずに改善させたいものです。

私自身の経験では、
肩のインナーマッスルを鍛える体操で改善しました。

夫が「肩が痛くて上がらない」
と言っていたときは、
ホメオパシーのレメディに助けられました。
アルニカというレメディを使いました。

あの「ケガにはアルニカ」のアルニカです。
このレメディは、「動かすと痛みが悪化する」
という特徴があります。

「そんなこと、当たり前なんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、
関節痛も慢性になると
「動かし始めは痛みがあるけれども
動かしているうちに楽になる」
という痛みのこともあります。

そういう場合は、「ルス・トクス」という
別のレメディが必要になります。
ホメオパシーでは、どうすると悪化するか、
何をすると楽になるか、に着目することで
より良いレメディを選ぶことができるのです。

ただ「痛い」ではなく、痛みの性質を
よく観察することがとても大事になります。

夫は、とにかく痛くて腕が上がらない、
ということでしたので、アルニカを選んだわけです。

レメディを摂った翌日、
「なんとなく良い気がする」と言うので
もう1粒とってもらいました。

その1週間後、
「10年前の肩になった!」
という言葉を聞けました。

さらに1か月後、
「20年前の肩になった!!」
とのことでした。

アルニカには腫れや炎症を引かせ
血流を良くする働きがあります。
それによって痛みが軽減し、
動きやすくなります。
動きやすくなったところで
無理なく少しずつ動かすことが大事ですね。