中学生の女の子がクリニックにいらっしゃいました。
朝起きられず、小学6年生から学校に行けていないと言います。
他の病院で起立性調節障害と診断され、
薬ももらって飲んだりしてきました。

以前はしっかり眠れない時期があったのですが、
逆に今は寝過ぎて、朝起きられないと言います。
学校に行けなくなったのは、コロナ自粛で
学校が休校になったりしたころから。

いろいろお話を伺っていくと、
甘いものが好きで、結構食べるそうです。
甘いものなら何でも食べる、と言います。

このことを考慮に入れると、
朝起きられなくなっていることには、
甘いものをよく食べる、ということも
関係していると考えた方が良さそうです。

そもそもの始まりが何だったか、はっきりとは分かりませんが
時期としては、初潮のころと重なっています。
ホルモンのバランスが大きく変化して、自律神経が乱れたことから、

頭痛が頻発して学校へ行けなくなったようです。

コロナの影響で休校になったことも重なって、
昼間も眠ることが増えたことでしょう。
そうすると、睡眠のリズムはどんどん乱れてしまいます。

家にいる時間が長いと、いつでも好きなものを食べることができます。
元々甘いものが好きだとしても、
そこに拍車がかかってしまうことも十分考えられます。

甘いものを摂り過ぎると、その処理のために
体内のビタミン、特にビタミンB群が大量に消費されます。
このビタミンB群は、エネルギーを生み出すために非常に大切です。
足りなくなれば、体力が落ち、疲れやすくなります。

ビタミンB群は、神経伝達物質を作り出すのにも重要です。
足りなくなれば、精神的に不安定になりやすくなります。

また、皮膚の状態にも大切ですから、
ビタミンB群が足りなくなれば、ニキビなどの皮膚症状が
出やすくなります。

甘いものを食べると、血糖値が急に上昇しますが、
それを下げるためにインスリンが分泌されます。
急激に血糖値が上がればインスリンの分泌も急上昇し、
血糖値は急降下します。

血糖値が下がることは、人体にとっては緊急事態。
全力で血糖値を上げようとします。
そのとき、アドレナリンが放出され、
交感神経の緊張状態が生まれます。

こういうことの繰り返しによって、
体内リズムの乱れ、自律神経の乱れ、
ビタミン・ミネラル不足、体力低下状態、、、

このような状態に、診断名をつけることはあまり意味がありません。
起立性調節障害、不登校、などのくくりで
分かったような気になるのではなく、
生活習慣を見直して、何が起きているのかを見極めることが大事です。

まずは、甘いものを控えて、朝目が覚めたら外に出て散歩すること。
いくら薬を摂っても、生活習慣を整えないことには
良い結果は得られません。
地道なことではありますが、まずはそこから始めましょう。