先日は初冬の寒さになりました。
天気予報によれば、
また30度近くまで気温が上がる日もありそうですので
まだ油断はできませんね。

ただ、夏の夜の寝苦しさからは解放されて、
睡眠の質が上がっているかもしれません。

睡眠についての記事は、これまでにもいくつか書いていますが、
睡眠の重要性は、いくら強調してもし過ぎることはないでしょう。

OECDの2009年発表のデータでは、
日本の平均睡眠時間は韓国に次いで
ワースト2位の7時間50分でした。

その9年後、2018年発表のデータでは、
なんと、韓国を抜いてワースト1位!
7時間22分だそうです。

アメリカよりも1時間23分短く、
この9年間で30分近く短くなっています。

また、平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は
年々増えているというデータもあります。

2018年には、こんなニュースもありました。

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厚生労働省が去年11月、全国の20歳以上の男女6500人余りを対象に
睡眠時間などの生活習慣について調査したところ、
1日の平均睡眠時間が6時間未満だった人は、
全体で男性が 36.1%、女性が42.1%にのぼり、
中でも40代が最も多く、
男性が48.5%、女性は52.4%とおよそ半数にのぼりました。

また、平均の睡眠時間が5時間未満という人は、
全体では男性が7.5%、女性が9.2%で、
40代 では男性が11.3%、女性は10.6%でした。

さらに直近の1か月間に睡眠で休養が十分に取れたか尋ねたところ、
「あまりとれていない」 や「全くとれていない」と答えた人は、
全体では20.2%にのぼり、40代では30.9%に達しました。

休養が十分取れていないと答える人の割合は
平成21年の調査以降、徐々に増えていて、
厚生労働省は「睡眠不足になると精神的な病気や肥満、
それに高血圧などにつながるおそれがあり、
働く時間を短くしたり家事を家族で分担したりして
適切な睡眠時間を確保してほしい」と呼びかけています。
(NHK NEWS WEB 2018.09.12)

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このデータは、普段クリニックで診療していて
感じるものと一致しています。

クリニックの患者さんには睡眠時間をお尋ねしますが
「最近は、6時間は眠れています」
と、少し得意気(!)に答えられる方が多いのです。

6時間眠れていれば十分、
と考えているらしいことが伝わってきます。
つまり、忙しくなれば、
6時間を切ってしまうことが容易に想像できます。

7時間眠っている方はとても少ないのです。
睡眠時間が足りない状態で仕事をしても、
脳の働きは、お酒に酔っぱらっているのと
変わらないような状態であるとも言われます。

睡眠不足で肥満や高血圧になるのであれば、
コロナのリスクを高めることにもつながるのですから
コロナの感染予防、重症化予防のためには、
「しっかり睡眠をとること」は必要不可欠なことのはずです。

ワクチンより何より
しっかり睡眠がとれる生活をすること、が大事です。

さらに言えば、コロナに限らず
健康な生活を送るために
真っ先に確保しなくてはならないものが、
睡眠だと言えるでしょう。