みなさんは、アーユルヴェーダをご存知でしょうか?
アーユルヴェーダは、5000年以上の歴史を持つ
インドの伝統医学のひとつです。

インドには、いくつかの伝統医学があって、
それらを管轄する省があり、大臣もいるのです。

2年前、新型コロナウイルスに感染した
英国のチャールズ皇太子が、感染発表後も健康状態は良好で、
スコットランドの自宅で公務を続けていました。

その背景にはホメオパシーとアーユルヴェーダでの健康管理があり、
インド人医師がホメオパシーの処方を行ったことを
AYUSH省(インドの伝統医療部門の厚生省に相当)が発表しています。

AYUSH省というのは、それらの伝統医学の頭文字をとったもので

A:Ayurveda(アーユルヴェーダ)
Y:Yoga & Naturopathy(ヨーガ&ナチュロパシー)
U:Unani(ユナニ医学)
S:Siddha(南インドの伝統医学)
H:Homeopathy(ホメオパシー)

となっています。

さて、今私は、オンラインで
アーユルヴェーダを勉強しています。
アーユルヴェーダでは体質を3つに分けて考えます。

その3つとは、
ヴァータ:風の質
ピッタ:火の質
カッパ:水と土の質
です。

私たちには、これら3つの質が、生まれ持った割合で存在していて
そのバランスが保たれていれば「健康」、
このバランスが不均衡になった状態が「病気」と考えます。

今日は、そのうちのヴァータについて学びました。
風をイメージしていただくと分かるように
ヴァータの性質は、「軽さ」と「乾燥」です。

機能としては「動き」を生み出し
身体の作用としては、神経伝達や呼吸に現れます。

ヴァータが優勢な人は、「楽しい人」と言えます。
精神の作用として正常なときは明るくて、軽やかなのですが
一旦悪化すると、不安や心配を引き起こします。

ヴァータの働きが大きくなり過ぎると、
不安障害、パニック障害、強迫性障害などを
引き起こしたりします。

その原因としては、
忙しすぎて、情報量が多いために
動き過ぎて乾燥してしまう、ということが挙げられます。

そういう状態になると、心身に現れる症状としては
肌が乾燥したり、便秘になったり、
肩こりやしびれが出たり、寝つきが悪くなったり、
やることが多すぎて食事や寝ることを疎かにしたりします。

現代では、結構よくあるパターンなのではないでしょうか。
今は「風の時代」と言われますが、
このようなこととも関係がありそうです。

風の明るさや軽さの良い面が現れればよいのですが、
行き過ぎると、病的になってしまいますね。

そういう行き過ぎた状態になったときの
アーユルヴェーダの処方というのが、興味深いのです。
生活においては、止める、休む、何事もゆっくりと。
食事では、油を摂る、水分を摂る、温かい飲食物を摂る。
思考においては、安心感を自分で生み出せるようにする。

現代の生活を見ると、みんな忙しすぎて、
基本的な当たり前のことができていないように思います。
ゆったりと腰かけて、ゆっくりお茶を飲む。
そんなことを心がけるだけでも、違ってくるはずです。

アーユルヴェーダというと、ごま油を額に垂らす
シロダーラを思い浮かべる方も多いと思いますが、
実は、こんな風に基本的な生活の知恵の宝庫でもあるのです。
さあ、手を止めて、ゆっくりお茶の時間にしませんか?