今回は、冷えのタイプ別養生法をご紹介したいと思います。
1 気虚タイプ
・規則正しい生活と食事で身体の土台をつくりましょう
・気は朝つくられるので、早起きして日光を浴び、朝食をしっかり摂る生活を心掛けてください。
・運動不足が続くと活動レベルも低下して熱の蓄えも減ります。体を動かす機会を増やしましょう。また、楽しい気分の時はじっとしていても体の活動レベルは高くなります。無感動な生活を送っていると体も冷えてきます。ワクワクする、感動のある生活を工夫して見つけましょう。
2 気滞タイプ
・緊張が続いたり、ストレスがあったりすると気の巡りが悪くなります。緊張やストレスから解放される趣味や時間を持ちましょう。頑張りすぎず、気持ちは軽めに持ちましょう。多様な価値観で自他への肯定感を持ち、色々なものに興味を向けることも大切です。
3 血虚タイプ
・まずは貧血の原因を解決しましょう。
・血を補う食材(レバー、肉、くるみなどの木の実、なつめ、黒豆、黒ゴマなど)を積極的に摂りましょう。
・血は夜つくられるので夜更かしをせず、よく眠りましょう。
・目を使うと血を消耗します。夜遅くまでスマホやパソコンをするなどは控えましょう。
4 血おタイプ
・血行不良になりやすい生活を見直しましょう。こまめに動き、ストレッチや運動をして血行を良くしましょう。
・血行を妨げるような、きつい下着や洋服は避けます。
・シャワーではなく、ゆっくり入浴して体を温め、血行を促しましょう。
5 水毒タイプ
・食べ過ぎ、飲みすぎ、運動不足が原因となっていることが多いので、生活を変える必要があります。冷たい飲み物、アルコール、コーヒーなど余分な水分を摂りすぎず、食べ過ぎにも注意しましょう。そして余分な蓄えは体を使って消費し、汗を流す習慣をつけましょう。
ここからは、冷えで悩む方もそうでない方も共通して、冷える季節にぜひお勧めしたい養生法をご紹介します。
≪体を温める食べ物・気を付けなければならない冷やす飲食物≫
生姜、にんにく、ネギ、からし、山椒、シナモン、かぶ、かぼちゃ、にら、紫蘇、ぶどう、くるみ、あじ、さば、ふぐ、羊肉などが体を温めるとされています。冷えがつらい冬場などは積極的に食事に取り入れてほしい食材です。
しかしたくさん食べれば良いというものでもありません。飲食物だけに頼らず、根本からの解決が大切です。
また飲食物は、体を冷やすものを避けることも大切です。
緑茶、コーヒー、きゅうり、トマト、レタス、なす、メロン、梨、柿、小麦など、日常的な食材で、しかも体に良いとされているものの中には体を冷やすものがあります。日常的に食べる習慣は改善した方が良いでしょう。
≪冷え性ではない方も要注意!≫
冷え性ではない方も、予防としてぜひ取り入れてほしいことをまとめました。
・こまめに体を動かすことや、運動を心掛けましょう。適度な運動は陽気や気血を手足の先まで行き渡らせ、冷えない体をつくります。
・過労や寝不足を避け、ストレスが解消されるような楽しい時間を持ちましょう。
ストレスが強い時は、意識的にゆっくり深呼吸をする時間を作り、リラックスすることが大切です。
・体を冷やす飲食物の摂りすぎに注意しましょう。また食べ過ぎによる栄養過剰も気をつけましょう。
・首、わき、へそ回り、足首などは覆って、熱を逃がさないようにしましょう。マフラー、腹巻、レッグウォーマーなどを身に着け、体を冷やさない工夫を心掛けてください。
どれも身近で簡単にできることばかりです。
毎日の生活の中から冷えの要因を取り除き、ポカポカな体と心を目指しましょう。
しかし、「食事も気をつけ、運動もしているのに、冷えはちっとも解消されない・・」という方もいらっしゃるかも知れません。長い年月をかけて冷える体質がつくられてきた場合、冷えが強く、一朝一夕には改善されなくなっていると考えられます。
また、自分の体質は○○タイプかな?と思っていても、自覚のないほかの体質(タイプ)も持っている場合など、複雑なケースもあります。なかなか冷えが改善されずに悩まれている方は、一人で悩まず、漢方の専門医にご相談ください。東洋医学は冷えで悩む方の強い味方です。