「寝落ち」とは、眠気に勝てずに
何かをしている最中に眠ってしまうことです。
例えば、夜遅くにテレビをみながら
その最中に眠りに落ちてしまうというのは
経験したことがあるのではないでしょうか。
近年では、若い人たちが夜通しで長電話をしている最中に
寝落ちするケースも多いと言われています。
もうひとつ、今ではもう死語のような「バタンキュー」。
ベッドに倒れ込むようにして眠ってしまうことを表現しています。
このように就寝準備をしてから寝入るまでの時間が短いことも
「寝落ち」と呼ばれます。
いつもこういう寝落ちをしている場合、
慢性的な睡眠不足に陥っていて、
睡眠よりも失神に近い現象なんだそうです。
ベッドに入って5分以内で寝入ってしまう場合、
病的な眠気があると診断されます。
食後や乗り物での寝落ちも同様なのだそうです。
「ぐっすり眠れている」とは、
「深睡眠」がよく取れている状態のことです。
深睡眠の間は、途中で目が覚めにくく、
脳内に蓄積された疲労物質の除去が行われ、
体の機能を修繕したり、免疫力を高めたりする
成長ホルモンの分泌が活発になります。
そのため、この時間が長いほど疲れが取れ、
病気になりにくい体になります。
では、この深睡眠とはどのような状態のことでしょうか。
睡眠には大きく分けてレム睡眠とノンレム睡眠があり、
そのふたつを繰り返します。
レム睡眠は、眠りに入ったタイミングや
起きる間際のうとうとと眠っている状態です。
その間、筋肉は緩み、体は休息状態になりますが、
脳は覚醒に近い状態です。
一方、ノンレム睡眠は体を揺すっても起きないほどの深い眠りで、
このときは脳も体も休息状態にあります。
ノンレム睡眠は眠りの深さによって3つのステージに分かれ、
「ステージ3」の最も深い眠りが深睡眠です。
深睡眠は、眠りについてから4時間以内に多く発生し、
時間が経つにつれて短くなります。
レム睡眠とノンレム睡眠は約90~120分間隔で一巡するので、
4時間の間にノンレム睡眠が起きる回数は2~3回。
ここでしっかりと深睡眠が取れていないと、
脳や体が回復しないまま朝を迎えてしまいます。
つまり、眠りの初期の4時間を良いものにすることが、
睡眠の質や健康を左右するのです。
ところが、「すぐ眠れる」「睡眠時間は十分」という人の中にも、
「隠れ不眠」が存在します。
「昼食後に必ず眠くなる」
「電車で席に座ると居眠りしてしまう」
「毎晩ベッドに入るとバタンキューで寝てしまう」
などの人は、十分な深睡眠が取れていない可能性が高いと言われています。
「バタンキューで寝る」というのは、ソファでの寝落ちに近いわけですが、
実は気絶に近い状態で、脳がシャットダウンしているだけなのです。
「寝入りがいい=よく眠れている」というわけではありません。
質の高い睡眠のためには寝具選びも重要です。
いびきをかく、睡眠時無呼吸症候群であるなどの場合を除き、
基本的には仰向けがお勧めです。
仰向けで寝転んだとき、頚椎から肩にかけて
S字のカーブが自然に維持できるのが、自分に合った枕です。
寝返りを打っても頭が枕から落ちないように、
頭3個分程度の大きさのものが適しています。
そうはいっても、ベストな状態を保てるかは
マットレスとの組み合わせも重要です。
寝転んだときに体の軸が一直線になるような、
ある程度弾力性のあるマットレスを選んでください。