東洋医学的な養生と栄養の調整をしても、
長年の花粉症はなかなか良くならないかもしれません。
花粉症の症状が出てしまったとき、そして、
根本的に花粉症とさよならするために、
ホメオパシーという解決法があります。

プロフィールにも書いていますが、私は長年
ホメオパシーをやってきました。

ホメオパシーをご存じでしょうか?

ホメオパシーを一言で説明するのは
なかなか難しいところがありますが、
約200年前にドイツで生まれた自然療法です。
「西洋の漢方」と言える側面もあり、
病気をみるのではなく、その人全体をみていくことができ、
赤ちゃんや妊娠中の方にも安心して使える、安全なものです。

ホメオパシーがどういうものか、
花粉症を例にとって説明してみましょう。

ホメオパシーは、日本語で「同種療法」「類似療法」
と訳されたりすることもあるのですが、
次のようなギリシア語から由来しています。

Homoios(似た)+ Patheia(病、苦しみ)

つまり、「似たものが似たものを癒す」という原理の療法です。

では、「似たものが似たものを癒す」とは、
どういうことでしょうか。

みなさん、玉ねぎはご存じですよね?
玉ねぎを切り刻むと、どうなりますか?

はい、目がヒリヒリして、鼻がツーンとして、
涙が出て、鼻水が出てきます。

これ、何かに似ていませんか?

そうです、花粉症の症状ですよね。

そうすると、「似たものが似たものを癒す」とは、
「玉ねぎが花粉症の症状を癒すことができる」
ということなんです。

以前、このお話をあるところでしたとき、
「なるほど~! わかった~!」と感激された方がいました。
玉ねぎを刻んだ翌日は、花粉症の症状が楽だなあ、
と気づいていたそうなんです。

ホメオパシーが誕生したときは、
動物・植物・鉱物そのものを使っていましたが、
その後、作用がより穏やかに、より深くなるよう、
希釈(薄める)・振盪(振る)という手法を用いて
レメディ(ホメオパシーにおける薬)が
作られるようになりました。

実際に玉ねぎのレメディもあり、
花粉症に使うことができます。

ただ、花粉症と一口に言っても、
その症状はひとりひとり異なります。
ホメオパシーのレメディは、
現在数千種類あると言われていますが、
花粉症に使うことができるレメディも、
代表的なものだけでも数種類あります。

玉ねぎを切ったときと同じような症状であれば、
アリウム・セパという
玉ねぎのレメディを使うことができるでしょう。

水っぽい鼻水ではなくて、ドロッとした卵白のような鼻水なら、
ナトムールという塩のレメディ、
鼻水や涙で皮膚が焼けるようにただれてしまうのであれば、
アルセニカムというヒ素のレメディ、等々。

逆に、花粉症でなくても、同じような症状があれば、
風邪のときにも使えるのが、ホメオパシーの面白いところ。
ただ、これは漢方薬にも言えることです。

急性の症状が治まっても、
今後症状が出ないように根本的にアプローチするなら、
体質なども含めた詳細な問診によって
別のレメディを選ぶ必要があります。
ぜひ「ホメオパス」という
ホメオパシーの専門家に相談してください。

私の父の話をしましょう。
私がホメオパシーの勉強を始めた1年目、
勉強のために父の話を聞き、レメディを検討しました。

当時の父は、坐骨神経痛に悩まされていて、
とにかくそれを何とかしたいということでした。
坐骨神経痛の症状だけでなく、
不安になると歩き回る、
という特徴的なところがありましたので、それも考慮して、
先ほどのアルセニカムというレメディを選びました。

レメディを摂ってしばらくすると、
坐骨神経痛は幾分和らいだようでしたが、
驚いたのは、40年来続いていたひどい花粉症が、
ものすごく軽くなったということです。

実は父の花粉症というのは、本当にひどかったんです。
花粉の季節になると、家の中にいてマスクをしていても、
顔が腫れあがるくらいのこともありました。

ですから、同居している姉が窓を閉め忘れようものなら、
ひどく怒ったものです。
ところが、ホメオパシーで楽になってからは、
自分が窓を閉め忘れることも増え、逆に、
軽い花粉症のある姉の方が困ることもあるくらいでした。

ホメオパシーの素晴らしいところは、
こういう意図せぬようなうれしい副作用があることです。
坐骨神経痛をメインに考えていても、
坐骨神経痛だけでなくて他の症状まで良くなってしまう。

これは、ホメオパシーが
「本当の健康」に近づけてくれるからなんですね。
本当の健康に近づく過程で、症状が自然に消えていくんです。