タンパク質は、筋肉・骨・毛髪・ホルモン・酵素など、
身体の主成分となる栄養素ですが、
タンパク質が分解されて生じるアミノ酸の一部も
総エネルギーの約12%に利用されています。

アミノ酸は、インスリンを介せずにグルコースに替わる、
安定したエネルギー源であり、
血糖値が下がってエネルギーが不足している時には、
筋肉を分解してアミノ酸に変えて、その一部をエネルギーとして用いることもできます。

タンパク質がエネルギーとして使われる際には、
ビタミンB2やビタミンB6が必要となります。
タンパク質を摂取しても、これらのビタミンB群が不足していると、
エネルギーとして利用することができなくなります。

今はやりの糖質制限も、脂質を上手に摂り、
タンパク質をしっかり摂っていないと筋肉がどんどん減ってしまいます。
体重は減ったけれど、筋肉も落ちてしまった、ということになりかねません。

人間の身体は、頭の先からつま先まで全てタンパク質でできています。
それだけではありません。
私たちが食べたり、ものを見たり、考えたり、歩いたりできるのも、
そして病気になったりするのも、すべてタンパク質が関わっています。

タンパク質というと、筋肉や爪、毛といったもの(構造タンパク質)を
思い浮かべることが多いと思いますが、
消化したり物を運んだり、化学反応に関わったりするタンパク質もあり、
機能タンパク質と呼ばれます。

食べたタンパク質は、消化酵素のハサミで切られて
小さなペプタイドやアミノ酸に分解され、吸収されます。
タンパク質を細かく消化してくれる消化酵素もアミノ酸から作られるため、
タンパク質が足りないと消化酵素も足りなくなり、
タンパク質を消化しにくくなるという悪循環に陥ります。

それでは、タンパク質を摂るならどんなタンパク質でもよいのでしょうか。
タンパク質はアミノ酸がたくさんつながってできていますが、
そのアミノ酸の構成はタンパク質によって異なります。

植物と動物でも異なります。
つまり、植物タンパク質だけ摂っていたのでは
人間の体を作るのには不十分になってしまうのです。

昨今の健康ブームで、ベジタリアンや
ベジタリアンに近い食事をしているかたもいらっしゃいますが、
血液検査をしてみると総タンパクが低かったり、貧血があったりします。
肉や魚、卵など、動物性タンパク質をしっかり摂りましょう。

このようなお話をすると、コレステロールや脂肪の心配をされる方も多いのですが、
コレステロールや動物性脂肪は悪者ではありません。
むしろ、これらをしっかり摂らないための弊害も多くみられます。

動脈硬化に大きく関わるのは中性脂肪です。
特に、食後の中性脂肪高値が大きく関わります。
これは脂肪を摂るせいで高くなるのではなく、炭水化物の摂り過ぎによるものです。

ご飯や麺類などの炭水化物を減らし、良質のタンパク質を摂ることで、
生活習慣病の改善も 望めます。人間は元来肉食動物でした。
穀物を食べるようになったのはずいぶん最近のことなのです。
みなさんも、毎日何をどれくらい食べているのか、ぜひチェックしてみてください。

タンパク質なら、お豆腐でもいいですか、と聞かれますが、
植物性のタンパク質だけでは十分ではありません。
消化吸収効率が良く、ビタミン・ミネラルをいっしょに摂れるものとしては、
動物性たんぱく質の方が有利です。

また、ヒトのタンパクを作る際には、
動物性のタンパク質に含まれるアミノ酸がどうしても必要です。
お肉はちょっと苦手、という方も上手に使うと良いのが、
かつお節、しらす干しなどですね。

お肉は胃がもたれる、というかたも、スープや煮込みなら消化や吸収も良いでしょう。
肉というと揚げ物や炒め物を思い浮かべるかもしれませんが、
ゆでたり蒸したりという方法もあります。ソースやたれを工夫すると良いでしょう。

それでもなかなかタンパク質がとれないかたは、コラーゲンの粉末が便利です。
コラーゲンのサプリメントなどもいろいろありますが、
何の添加物も入っていない100%のコラーゲンの粉末なら、
飲み物に加えることで、タンパク質を量的に確保することができます。
分子が小さいので、吸収も良いのです。

チーズも良いですね。ヨーグルトならギリシアヨーグルトがお奨めです。

どうしても甘いものが欲しい時には、本格的なカスタードプリンがお奨めです。
カスタードプリンは私もいろいろ試してみましたが、
最も感激したのが西通りプリンのポシェ。
ももクロが絶賛している、というのも納得のお味です。