新型コロナウイルス感染の第6波と呼ばれる状況が
少しずつ収束に向かっているのが見えてきた感じです。

新型コロナウイルスに限らず、感染対策というのは
できるだけ感染源(と思われるもの)に近づかないこと
と考えられています。

それはそれで大事なことではあるのですが、
今のウイルスとの闘い方には、
ウイルスに直接立ち向かっていく
「身体」というものが抜け落ちています。

とにかく、ウイルスに触れたら負け、という
鬼ごっこのようなルールのなかで私たちは生きています。
ウイルスにしか目が向いていないと
とにかく恐れるしかありません。

しかし、我々は、生き物として
長い歴史を生き延びてきた力を持っています。

漢方医学の考え方とは、
身体の力を育て、引き出し、
身体の力の後押しをする
ということです。

この考え方を活かせば、
新しい治療法やワクチンがなくても、

感染しない、
感染しても発症しない、
発症しても重症化しない
究極的には、死なない

そんな手段を身体に提供できるはず。

マスク、ソーシャルディスタンス、
強迫的なまでの消毒。

これらは、必要なことではありますが、
ウイルスという物質を避ける
ウイルスという物質から逃げる
という、とても消極的な戦略でしかありません。

これをもっと積極的な戦略に変える必要があります。
ウイルスに対して、生き物として立ち向かい、
ウイルスに悪さをさせないようにして、
命を守る

漢方薬というのも、その長い歴史のなかで
数々の流行病を乗り越えながら発展してきたものです。

ウイルスから逃げるだけでなく
立ち向かう力を手にしましょう。
ウイルスを潰さなくても
自分も社会も潰されません。

私たちの身体はどうやってウイルスと闘っているでしょうか
まずは、身体の外と接している「表」の
「発散」という働きでウイルスを排除し、追い払います。
これは、おもに「肺」の働きになります。

「肺」のこの働きで使う道具というのは
汗、くしゃみ、涙、鼻水、咳、痰。
これらの働きを妨げることなく、上手に発揮させてあげることが
ウイルスから身体を守るには大事なことになります。

この「発散」という働きは、外向きに勢いがなくてはなりませんが
その勢いを担うのが「肝」の働きです。
そのエネルギーを生み出して支えるのが「腎」の働きです。

表の働きだけではなく、内側の肝と腎、
肝腎要というように、これらの働きの支えがないと
表での闘いを続けることができません。
漢方薬には、これらの働きをそれぞれ助けるものがあります。

今後も新しいウイルスや変異株が出現する可能性があります。
歴史に裏打ちされた漢方の力を借りて
自分の身体の能力を高めることで
ウイルスに打ち勝っていきましょう。

より詳しく知りたい方は、ぜひこちらを読んでみてください。
『漢方で免疫力をつける』