「突然の、激しい」というと、最近のゲリラ豪雨みたいですが、
ホメオパシーのレメディにも、そんな特徴を持つものがあります。

ホメオパシーのレメディの代表的なもの3つの頭文字をとって
ABCレメディと呼ぶことがありますが、
そのBに当たるレメディが
Belladonna(ベラドンナ)。

原料となる植物は、ナス科の植物で、
学名はAtropa belladonna
和名では、セイヨウハシリドコロとか
オオカミナスビとか、呼ばれます。

この植物からはアトロピンという薬物が抽出されます。
このアトロピン、眼科で眼底検査をするときに使われます。
眼底を見やすいように瞳孔を開く働きがあります。

実は、昔のヨーロッパの貴婦人は、美しく見せるために
この植物の実を絞って目に差したのだと言われます。
瞳孔が開いて目がキラキラして美しく見えたようです。

どういう作用かというと、
このアトロピンというアルカロイドは、
副交感神経の作用を遮断します。
ということは、相対的に交感神経優位の状態になるのです。

目に関して言えば、動物が敵を見定められるよう
遠くまで見えるよう、光を多く受け入れるように
瞳孔が開くわけですね。

眼底検査をしたことがあるかたは経験があると思いますが、
アトロピンの作用が切れるまでは、
焦点が合わず、歩きにくかったと思います。

ヨーロッパの貴婦人たちは、
足元がおぼつかなくて
殿方に支えられたりしたのかもしれません。

ホメオパシーでこのレメディが使われるときは
とにかく急激で激しい症状のときが多いのです。

子どもが高熱を出したときによく使われますが、
特に汗があまり出ていなくて、顔が真っ赤で、
頭部は熱いのに手足が冷たいときに、よく作用します。

熱中症でこのような症状がみられるときにも
使えるということになります。

和名の「オオカミナスビ」というのは面白い名前ですが
昔はこの植物の実を誤って食べて中毒症状を
起こすようなことがあったのでしょう。
オオカミの幻覚を見るということが古い書物には書かれているのです。

インフルエンザで高熱を出したときに
幻覚を見るような症状が現れることがありますが、
そのような状況にも使えるでしょう。

そのほか、真っ赤に熱を持った炎症に使うことができるので
真っ赤に喉が腫れているときや
日焼けで皮膚が真っ赤になってヒリヒリするときにも使えます。

これからの季節、炎天下での作業や運動は
極力避けた方が良いと思いますが、
うっかり日に焼けてしまったときには
役立ってくれるでしょう。

以前、クリニックのスタッフのお子さんが
屋外のスポーツでひどく日焼けをしてしまったときに
このレメディが活躍してくれました。

私自身の経験では、風邪気味のときに
授業で何時間もしゃべり続け、
夜には水でうがいするのもつらいくらい
喉が痛かったとき、このレメディに助けられました。

翌日も6時間しゃべらないといけなかったので
どうなることかと思ったのですが、
乗り切ることができました。

授業の準備で睡眠もあまり取れていなかったので
風邪が悪化するのではないかと心配していたのですが、
不思議なことに、すっきりしてしまいました!

そのほかの強い炎症にも使うことができます。
息子が2歳のとき、おそらく目に何かが入って
アレルギー性の結膜炎を起こしたと思われるのですが、
片方の目の白目が苺のように充血・浮腫を起こし
黒目がそのなかに埋もれているような状態になったことがあります。

このときも、このベラドンナのレメディを摂ることで
眼科の目薬を使うことなく
翌朝にはほぼ治まってしまいました!

頭痛にも使うことができます。
突然の激しい症状、というのはもちろんですが、
興味深い特徴として「頭が冷えることで発症・悪化」というのがあります。

頭に汗をかいた後に冷えて頭痛になったとか
エアコンの風に当たって頭痛が始まったとか、
そんなエピソードがある場合はベラドンナが役立ってくれるでしょう。
激しい偏頭痛で嘔吐を伴うようなものにも使えます。

ホメオパシーのレメディは、病名や症状だけでは
なかなか適切なものが選べません。
どうするとその症状が良くなるか、あるいは悪くなるか、
その症状の強度やスピードを見極めることが大切です。

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