先日、腰痛に関するセミナーを開催しました。
「いきなり!ホメオパシー 薬に頼らない生活 腰痛編」
奇しくも、翌日4月20日は「腰痛ゼロの日」
「よう(4)つう(2)ゼロ(0)」
腰痛で悩む人をゼロにしたいという
想いが込められているそうです。
セミナーを開催するに当たって、いろいろ調べてみると
腰痛に悩む人はとても多いことが分かりました。
日本人は一生のうちに一度は腰痛を経験すると言われ、
10人に1人以上が腰痛に悩んでいるそうです。
そして、腰痛を訴える人の約85%が、画像検査では特に異常のない
非特異的腰痛症と呼ばれるものなのだそうです。
20年ほど前、今回のセミナーでもご紹介した
『腰痛は〈怒り〉である』という本を読みました。
そのとき衝撃的だったのが、
画像検査などで「椎間板ヘルニア」などと診断されていても、
画像上の異常部位と症状の場所とが一致していないケースがとても多い、
という事実でした。
本当の原因は分からないのだけれど、画像で異常が認められるから
それを原因にしておこう、ということのようなのです。
そのような腰痛をこの本では
TMS Tension Myositis Syndrome 緊張性筋炎症候群
として扱っています。
このTMSとは「脳に加わったある心理状態が発端となり、
自律神経系特有の働きによって、
筋肉、神経、腱、靭帯の一部に血管収縮が起こり、
軽度の酸素欠乏が生じて、痛みを引き起こす」というものです。
怒りなどの感情によって精神的緊張状態になると、
交感神経が優位になって、末梢の血管が収縮します。
それによって軽度の酸素が欠乏して痛みが出る、ということなのですが、
私たちの組織や細胞は、酸素がないと活動できませんから、
酸素が足りなくなるというのは緊急事態です。
したがって、痛みを感じる物質を出して知らせるのですが、
本来は「軽い」酸素欠乏なので、痛みもひどくないはずなのです。
ところが、ギックリ腰を経験された方はよく分かると思いますが、
動けなくなるような激痛なんですね。
なぜそこまで激痛になるのか、というと、
脳が暴走するからだ、と言われています。
脳には「痛み」を感じる部位があり、そこが興奮すると、
体の方には異常がなくても痛みとして感じてしまうのです。
また痛みが来るのではないか、と不安だったり
ストレスを抱えたりしていると、ますますその部分が興奮しやすくなり
必要以上の痛みとして感じられてしまうというわけです。
痛みが怖くて安静にしていると、さらに血流が悪くなりますから
腰痛はなかなか改善しません。
腰痛時に安静にしているのと、可能な範囲で動くのと、
どちらが早く改善するか、という研究があるのですが、
可能な範囲で動いたほうが、断然改善率が良いのです。
オーストラリアでは、腰痛の標準治療として、
安静ではなく、できる範囲で動くことを推奨したところ
腰痛患者が減り、医療費が下がったという実績があるそうです。
もちろん、腰痛の中には、見逃してはいけない赤信号の腰痛というのもあります。
次のような場合は、重篤な状態の可能性がありますので
病院を受診し、きちんと治療を受ける必要があります。
・転んで尻もちをついた後のひどい痛み
・特に高齢女性で骨粗鬆症が疑われる場合の腰痛
・横になって安静にしていてもうずくような腰痛
・鎮痛剤を1か月以上使っても頑固な痛みが取れない場合
・肛門や性器周囲がしびれたり感覚が鈍くなったりする
・足に力が入らない
普段から姿勢に気をつけることも大事です。
重いものを持つことが多い人は、
身体の使い方を身につけることも有効ですね。
セミナーではもう1冊ご紹介しました。
『人生を変える幸せの腰痛学校』
小説の形になっていて、読んで腰痛を治す本です。