気温の上がり下がりが激しく、
気圧の変化も激しい日が続いています。
最近、「お天気頭痛」とか「気象病」という言葉を
よく耳にするようになりました。
こういう症状が出やすい日時を
予測するアプリもありますね。
私自身、元々は頭痛もちではなく
お天気で頭痛が出るようなこともなかったのですが
最近になって、なんだか頭が重いなあ、痛いなあと思うと
お天気が崩れそうな時だということに気づくようになりました。
そんな、お天気で頭痛が出るような症状に
とても助けになる漢方薬があります。
それは「五苓散」。
五苓散は、水の巡りを良くしてくれる処方です。
西洋薬の利尿剤のように、
ただ水分を排出させるということではなく
体内の水の分布を正常なものに導くように働きます。
お酒を飲んだ次の日に顔がパンパンになったり、
お酒を飲むとお腹をこわしたり、
お酒を飲んだ翌日に頭痛に苦しんだり、
という経験は多くの方がお持ちではないでしょうか?
これは、その人の処理能力を超えて
「お酒」という水分を摂取してしまったために起こっている症状です。
「五苓散」は、体のはたらきを高めて、
余分な「水(すい)」を体の外へ出す処方です。
余分な水を身体に溜めやすい方が、
気圧や気候の変化の影響を受けやすいということかもしれません。
気圧の変化で脳血流量に変化が出るのですが、
五苓散を摂ることでその脳血流量の変化を小さくできることが分かっています。
熊本大学の天気頭痛の研究によると
気圧が低下すると脳血流量が増加し、その後通常気圧に戻しても、
元の脳血流量まで減少・回復しないことがわかりました。
また、五苓散を投与すると、
気圧の低下による脳血流量の増加が抑制されること、
通常気圧に戻すと、元の脳血流量まで減少・回復することがわかりました。
五苓散のような働きは、鎮痛薬である
ロキソプロフェンにはみられなかったということです。
天気頭痛の場合、鎮痛剤を使う前に、
まずは五苓散を使ってみる価値はありますね。
鎮痛剤を頻繁に使っていると、
かえって頭痛を起こしやすくなることも分かっています。
お天気が崩れやすいとき、早めに五苓散を使うことで
鎮痛薬を減らすことができます。
天気頭痛にお悩みの方は、漢方薬を処方してもらえる
医療機関を受診してみてくださいね。