アーユルヴェーダの3つの体質の最後、カパ。
カパは水と土の質といわれます。
カパの体質の心身の特徴は、重さと安定性、油性です。
カパは体格や構造を作るドーシャなので、
非常に体格がよく、持久力もあって、
肉体労働や運動によく耐えます。
目は大きくまつげも長く、魅力的な人です。
髪も黒くて艶があり、白髪があまりありません。
歯は大きく歯並びがよく、
皮膚は色白で冷たく湿っているのですが、滑らかです。
そのため皮膚の血管は埋もれてしまってはっきり見えません。
体臭も強くありません。
しかし、カパがアンバランスになると、すぐに肥満してしまいます。
水を飲んだだけで太ってしまうのです。
水が体内に増えるため、むくみや鼻汁、痰が多く、
年中鼻炎で苦しんだりします。
病気としては、アレルギー性鼻炎や気管支炎、喘息等に罹りやすく、
湿気に弱く、関節の異常を起こしやすい人です。
心の面では、カパの安定の質が発揮されると、
穏やかで寛大、情に脆く波風が立たないことを好む平和主義者です。
献身的で母性本能も旺盛なので、
女性であればよいお母さんになるでしょう。
しかし、カパのバランスが崩れると、
思考が鈍くなったり抑うつ状態になったりしがちです。
また独善的になって物事に執着しがちで根に持つことが多く、
あるいは愛欲に溺れて男女の問題を起こしやすい面もあります。
行動の特徴としては、
動作や話し方がゆっくりとして、落ち着いています。
また物覚えは早くはないのですが、
一旦覚えたものはなかなか忘れません。
昔の出来事をしつこく覚えていたりもします。
また物事をやり通すタイプで、何事も蓄積する性格なので、
お金を貯めるのが上手です。
しかし眠ることが好きで、放っておくといつまでも寝ています。
そのため、運動不足と肥満になりがちです。
では、カパ体質の方に適した運動はどんなものがあるでしょう。
体力が充分にあり、プレッシャーにも強いので、
サイクリング、ランニング等のスタミナや持久力が
必要とされるスポーツが得意です。
しかし、カパ体質の人は、元々動くことが億劫なたちですから、
運動するには強い動機付けが必要でしょう。
運動量は体力の半分を目安にできるだけ毎日運動しましょう。
カパは寒さで悪化するので、身体を冷やさないよう、
寒い時期は暖かい室内でできる運動が良いでしょう。
カパが崩れたときには、効果的な対処法があります。
水のエネルギーであるカパが増加してアンバランスになると、
水の持つ性質である「冷」「重」「遅性」が増加するので、
身体がむくみ、冷えや痰・鼻水が増加し、全身がだるくなってきます。
また、結合エネルギーが増加し、
何でも結合させようとする方向に動くので、肥満になってきます。
心の変化としては、怠惰になり、物事に鈍感になります。
また、結合エネルギーが増えるため、物事に執着し、
頑固になる傾向になります。
色では「赤」「黄」「緑」「紫」はカパを鎮めます（「青」はカパを増します）。
味覚では「辛」「苦」「渋」味のあるハーブティー等を飲むと、
カパを鎮め、心身ともに目覚めてきます。
雨が多い季節は、特にカパが乱れます。
カパの性質を理解して、できるところから始めてみましょう。
