アーユルヴェーダの3つの体質のうちのひとつ、ピッタ。
ピッタは火の質だけあって、
その特徴は熱性と鋭さ、強烈さです。
体格は中肉中背でスタイルがよく、
皮膚は薄くて温かく、軟らかで黄色みがかっています。
髪も細く軟らかで、関節も柔軟で手指が反り返ります。
元来、熱が体内に多いため、
寒さには強いのですが、暑さに弱く、汗っかきです。
目つきは知性を象徴して鋭く輝き、闘志や敵対心も溢れています。
ピッタのバランスが崩れると、
肉体的には体内の熱が増加した症状が出ます。
例えば、胃腸の灼熱感が出たり、皮膚が弱く、
赤い湿疹やじんましんなどができやすくなったりします。
また、口臭や体臭が出たり、
若禿、白髪が年齢に似合わず目立つようになったりします。
病気では肝疾患や胃・十二指腸潰瘍、心疾患、
アルコール依存症、皮膚病等になりやすくなります。
心の面では、ピッタがバランスの良い状態では、
勇敢で機転が利き、集中力や知性に富んでいます。
行動や話に無駄がないので、リーダ―に最適な人物です。
その半面、ピッタがバランスを崩すと、短期で怒りっぽく、
何かと批判的になり、けんかっ早く、
あるいは完璧主義に走って敵を作ってしまう傾向もあります。
また、見栄っ張りで高級品を好む傾向にあります。
運動の仕方にも、体質によって適したものが異なります。
ピッタ体質の方は、体力はある程度ありますが、
競争心が強く、ついつい敵意むき出しで熱くなってしまいがちなので、
競争心と楽しさのバランスのとれたチームスポーツが適しています。
また、身体が熱くなり過ぎないよう涼しさを保ってくれるような
スキー、スケート、水泳、登山などのスポーツもよいでしょう。
ピッタが崩れたときには、適した対処法があります。
火のエネルギーであるピッタが増加してアンバランスになると、
火の持つ性質である「熱」「鋭」性が増加しますので、
皮膚が赤くなり、ニキビや皮膚炎等の炎症が起きてきます。
心の変化としては怒りっぽく、
批判的になったりして敵を作るようになってきます。
また、目を使過ぎるとピッタが増えて悪化します。
目の充血や痛み棟はピッタの症状ですから、
そうなったときは目を閉じて休めたり、
自然の緑を眺めたり、冷水で目を洗うなどしてピッタを鎮めましょう。
悪化したピッタを鎮めるには、豊かな自然に触れることが効果的です。
ピッタは特に視覚に関係するので、
美しい自然を眺めることはピッタの鎮静法として有効です。
川や海、湖などを見るだけでも良いのですが、
涼しげな水があればなお良いでしょう。
目の疲れを防ぐには、目を使い過ぎないことが基本で、
太陽光線や火、電気の火花などの極度にまぶしいものや、
よく動いているもの、非常に小さいものを
じっと見つめたりしないように気をつけます。
動いている乗り物の中で本を読んだりすることも避けましょう。
長時間続けて目を使うときは、時々1、2分くらい目を閉じて休ませます。
色では「赤」はピッタを増し、食欲を増進させることから
レストランの看板には赤系の色がよく使われます。
一方、「青」「緑」「紫」はピッタを鎮める色ですので、
上手に使い分けてみましょう。