化学物質過敏症という病気をご存知でしょうか。

症状は多岐に及び、病院を受診されても検査では異状なく、
精神的病にされがちです。

発汗、冷え、易疲労感、咽の違和感、不眠症、不安やイライラ、
めまい、耳鳴り、目の充血、下痢や便秘、吐き気、動悸、
脱力、全身倦怠、皮膚炎、などなど、
通常の医療機関では病名を一つに絞ることができません。

私自身、病名だけは聞いたことがあり、
「化学物質に過敏な人」というくらいの認識しかありませんでしたが、
最近、実際に患者さんにお会いする機会があり、
日常生活が非常に困難な状況になるということが分かりました。

現代では、あらゆるシーンでさまざまな化学物質が使われていて
避けることがとても難しくなっています。

私自身、合成の香料に対して、やや過敏な反応を示します。
ウェットタイプの床掃除用のシートには、
香り付きのものがありますね。

以前、クリニックで看護師さんが掃除してくれたのに
その香りで気持ち悪くなってしまったのです。
頼んで無香のものに変えてもらったことがありました。

アロマセラピーに使われるエッセンシャルオイルも
安価なものには溶剤抽出のものや合成香料もあって
そのような香りに触れると気持ち悪くなってしまいます。

昔から、車の芳香剤などは苦手でしたし、
香料の強い化粧品も苦手でした。そのほかにも
電車で近くに香水などの香りが強い人がいると、
辛くなってしまうこともあります。

最近、特に問題となっているのが、柔軟剤の香りです。
洗濯物を外に干していると、
近所のおうちにもその香りが届いてしまいます。
洗濯物の香りで不快な思いをしたことは私にも経験があります。

近年は、香りが長持ちする製品が増えているため、
このような香りに敏感な方には、
ますますつらい状況になっています。

このような香りは化学合成された物質なので、
体内に吸収されると、異物として排泄しなければなりませんが
解毒の作用が十分に働かないと、どんどん蓄積されてしまい
さまざまな症状につながっていくということです。

その辺りのメカニズムを分かりやすく漫画にしたものがあります。
『かびんのつま』
読んでいるとちょっと辛くなってしまうところもありますが
こういう現実があるということです。

化学物質過敏症で苦しんでいる方の現状を理解するのに役立つと思います。