ホメオパシーには、緊急時によく使われる
ABCレメディというものがあります。

Aはアコナイト。突然の症状に対処できます。
Bはベラドンナ。急激な発熱、真っ赤な炎症に使われます。
そして、Cはカモミラ。

ジャーマンカモミールという植物から作られます。
日本でも昔から「カミツレ」と呼ばれて
鎮痛・鎮静剤、健胃剤、発汗剤、消炎剤、婦人病の薬として使われてきました。

このレメディの特徴を一言で表すと『もう我慢できない!!』
子どもが癇癪を起してどうにもならないときに良いわけですね。
特に、抱いても揺らしても駄目な疳の虫を鎮めてくれます。

また、子どもの歯の問題や耳の痛みにも重宝します。
赤ちゃんは、歯が生え始めるとむずがゆくてぐずったりします。
そんな時期には下痢をしたり、体調を崩したりすることも。
そういうときに便利なレメディです。

子どもだけではなく、女性にもよく作用するレメディです。
生理痛、頭痛、不眠などにも良いのです。
生理前にイライラすることはよくありますが、
めちゃくちゃイライラしているときにとても良いレメディです。

カモミールティーを飲んだことがある方もいらっしゃるでしょう。
ハーブティーのなかでもとても有名で
気持ちを落ち着けて、安眠にも働いてくれます。

ハーブティーに使われるのはローマンカモミールという種類ですが、
同じように鎮静作用があるのですね。
ホメオパシーレメディに使われているジャーマンカモミールは
抗炎症作用が強く、青い色のオイルがアロマセラピーで使われることもあります。

現代医療の分野でも、昔からアズノール軟膏という青い塗り薬がありますが、
このジャーマンカモミールを原料として抗炎症効果を狙ったものです。

ホメオパシーのレメディは、必要もないのに摂り続けると、
そのレメディのもつ働きそのものが症状として出てしまうことがあります。
カモミラならば、摂り過ぎることで
かえってかんしゃくを起こしやすくなる、というようなことです。

実は、このようなことはハーブティーにも言えることで、
同じハーブティーを毎日飲み続けていると、
かえってイライラしやすくなる、
というようなことが起きる可能性があります。

そのようなことを避けるため、ハーブティーを常用する場合も
1か月くらいで別のハーブに切り替えるなどの工夫が必要です。
イライラするとき、もう我慢ができないとき、
カモミールの助けを借りてみませんか?